過払い金請求の末路
消費者金融で過去に払った高すぎる利息を取り戻そうと始まった過払い金請求。勢いはとどまることを知らず、最近では借金をしたことがない一般の人にもよく知られた言葉になりました。そうして全国各地で行われている過払い金請求ですが、訴訟で勝っても必ずしもお金が戻ってくるとは限らないという話も聞かれます。どういうことなのでしょうか?
昨年2010年6月に貸金業法の改正・施行が完了し、貸金業界に大きな影響をおよぼしました。その大きな柱が上限金利の引き下げと総量規制でした。これまで莫大な利益を得ていたグレーゾーン金利が事実上撤廃されるのと、新たな貸し付けに対する厳しい規制によって、某大手消費者金融の営業収益が10年前と比べ、半減どころか5分の1以下になったという話もあります。そこに過払い請求がくるとは、踏んだり蹴ったりですね。出したくても出せないのだと言われそうです。実際に資金繰りができず倒産や廃業する業者が後を絶ちません。
これに似た事件が過去にもありました。商品先物取引の損害賠償です。先物取引が甘い言葉で取引を持ちかけ、絶対に儲かると言って金や大豆等の商品を買わせるものです。どれも商品の価格に見合わない法外な投資をさせるもので、最終的に多数の被害者が出ました。そこで損害賠償の訴訟を起こして最高裁判所で勝訴すると、先物取引会社に弁済させることが可能になりました。これをきっかけにして全国で商品先物取引被害に関する訴訟が相次ぎました。弁済を求められた先物取引会社はその負担が大きすぎて、どんどん倒産に追い込まれていったといいます。
過払い金請求によって貸金業者が追い込まれていく様子は、その商品先物取引の損害賠償の流れと通じるものがあります。貸金業界において個人向け貸金市場が大幅に縮小しているということもありますし、過払い金請求もだんだん難しくなってくるのではないでしょうか。法律事務所に依頼するとその経費もかかりますから、それも頭に入れて考えた方がよいでしょう。